大人の矯正
大人の矯正

「大人の歯並びや咬み合わせは変化しない」と思われがちですが、実際は、歯は生涯を通じて自然に動き続けています。それにより、抜歯した後の隙間を放っておいたことや、歯周病、親知らず、外傷などの影響などで、歯並びや咬み合わせに変化が生じることもあります。
矯正治療は、長い時間をかけて少しづつ顎の中で歯を動かし、悪い歯並びや咬み合わせを治す治療です。じっくり対応することで、大人になってからでも矯正は可能ですので、歯並びが気になる方、コンプレックスをお持ちの方なども、諦めないでください。

歯が動くメカニズム
歯と、歯の周囲の骨(歯槽骨)の間には、繊維に富んだ歯根膜という組織があります。
動かしたい歯に矯正装置で適度な力を加えて歯根膜を圧迫すると、そこに骨を吸収する細胞(破骨細胞)が現れます。一方、圧迫を受けた部分の反対側(引っ張られる側)の歯根膜には、骨を作るもとになる細胞(骨芽細胞)が生じ、この2種類の細胞の活動によって、歯はゆっくり動き出します。この歯根膜じん帯が引っ張られるために矯正治療中の歯の痛みが生じます。当院では治療初期の特に痛みを感じやすい時期に優しい力で歯を動かすよう、細かくて柔らかいワイヤーを採用しています。
これは、歯が骨の中を通って自然に生えてくる変化と同じメカニズム。矯正歯科治療では、このメカニズムを利用&コントロールすべく、加える力の大きさや方向を正確に計算して、歯を無理なく目的の場所へ動かします。
歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正治療
約10年前から用いられている治療法で、顎の骨にごく小さなスクリューを植えて歯を引っ張る支え(固定源)にすることで、ヘッドギアやゴム等を使用した場合と同じ治療結果が、それらを用いなくても短い治療期間で得られるようになりました。この方法を「歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正治療」といいます。

それぞれの症状に応じた治し方はこちらから
矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について
- 最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1、2週間で慣れることが多いです。
- 歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
- 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
- 治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。虫歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けることが重要です。
また、歯が動くと隠れていた虫歯が見えるようになることもあります。 - 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきが痩せて下がることがあります。
- ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
- ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
- 治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
- 治療中に「顎関節で音が鳴る、顎が痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
- 様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
- 歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行う可能性があります。
- 矯正装置を誤飲する可能性があります。
- 装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
- 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
- 装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)や虫歯の治療(修復物)などをやり直す可能性があります。
- 顎の成長発育により咬み合わせや歯並びが変化する可能性があります。
- 治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。
加齢や歯周病等により歯を支えている骨が痩せると咬み合わせや歯並びが変化することがあります。 その場合、再治療等が必要になることがあります。
- 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。